団結!義務!宿命!


by maxhorn
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第8話

 べレンが速度を落とし始めたので2人もそれに続いた。無人島が見えたらしい。すぐそば、ざっと5キロ程離れた場所に漆黒の霧が漂う巨大な大陸が見えた。暗黒大陸だ。ソーラは大陸に目を奪われ、加えて日暮れで前が見えにくく、ハイナに声をかけらればければ無人島の砂浜に頭から突っ込むところだった。
 「よそ見しないで!!」
着陸と同時にハイナに怒鳴られた。言い返しそうになったが翼が砂で汚れているのに気が付き、それをはらう事を優先した。
 「おい、ロック聞こえるか?」
べレンはすかさず通信を試みる。
 「…レン、べレン…!!」
ノイズ混じりに聴こえた。
 「ロックどこにいるんだ!!」
べレンが言う。
 「まず…ぃ、!…!奴が…!!」
次の瞬間、無人島のどこかから爆発音と真っ赤な煙が立ち上り、夕闇を照らす。
 「ロック!!」
通信は途絶え、あとにノイズが悲しく響く。
 「大変、べレン、ここは『暗黒海』よ!!」
 「そんな事はわかっている!!だからなんだ!!そんな事より早く煙の上った場所へ…」
べレンはハッと気付いた。暗黒海…、暗黒大陸付近の海。そこは夜になると海面数十メートルを文字通り暗黒で覆い尽くしてしまう。その闇には月の光さえ通用しない。
 「まずい…。」
気付いた時には遅かった。周囲は闇で包まれ、立ち上っていたはずの真っ赤な煙は黒く塗りつぶされていた。風の音、波の音、3人の足音と声以外何も聴こえない。
 「2人共動くな!!落ち着け!!」
べレンが少し焦り気味に言ったので、ソーラがカッとなった。
 「あんたがまず落ち着けよ、リーダーさん!!」
 「何ぃ!?」
 「馬鹿ね!!この暗闇の中喧嘩してどうするの!?」
ハイナの渇が入り、2人は黙った。
 「良い?ここは私の意見を聞いて。まずべレン、駄目かもしれないけど、とりあえず発火してみて。」
 「お…おぅ。」
当然の如く出来ると思った。しかし出来ない、発火出来ない。トーアの体になれば簡単に出来ると勘違いしていた。しかしいくら体に力を入れても、この闇を切り裂く炎どころか、音さえ聴こえない。
 「畜生!!何でだ!?」
 「言うだけ無駄だったみたいね。ソーラあなたは何か出来る?」
ソーラが答えない。
 「…?ちょっと?」
 「あ、あぁ、いや何も出来ない。」
どうやらNOのつもりで首を横に振っていたらしいが、ここは暗黒。見えるはずがない。
 「通信してみる。」
べレンが通信を試みた。ロック、コワック2人には通じなかったがギアが返事をした。
 「べレン!!」
 「ギア!!今の状況は!?一体何と戦ってるんだ!!」
 「あかん、奴はばけもんや!!コワックとロックは爆発に巻き込まれてしもて、敵とサシになった瞬間まっくらや!!敵の動く気配も無いし、朝までまつしか無いかもしれへん。とりあえず2人を探し出しておくわ!!」
 「わかった!!」
通信を終えた。
 「ギアは無事だ。とりあえず夜明けを待つ。何も見えないが砂浜である事は間違いないから、ここで横になろう。体を休めるんだ。1日中飛び回ったし、時差で疲れた…。」
 「そう言えばここ、本堂のあるニークルとは約12時間も時差が…。」
3人はバックパックを本本堂の格納庫に転送し、就寝した。



 ラグナロクの森を抜けた。なんて清々しい朝だろう。
 「で?どうするんだねアーブ君。」
 「トーア聖堂に行きます。あそこにはツラガもいるし、警備も整ってる。安全ですよ。
 「なるほどな。なにで行くんだ?」
 「歩きです。」
 「…。」



 暗黒海が闇に包まれてしまったので、潜水艦を一時停止させ、体を休めた。しかし本当に真っ暗だな。俺の目は闇をも見通すが、実際この深さじゃ生き物など存在しない。朝になれば行動しやすくなる。それまで作戦をさらっておくか…。
 「コンピュータ、ファイルを開いてくれ。」
カッチュは潜水艦のコンピュータに命令し、作戦の内容を確かめるのだった。



 嫌な予感がして起きてしまった。辺りはまだ闇に包まれている。健やかな風が体に触れ、波と2人の寝息がひと時の平和を象徴していた。
 「…。」
さっきギア達が戦っていた謎の敵の正体はなんだろう?2代目世界トーアの死に関係するのだろうか?こんな調子でファグラッチェの国王を救えるのか?いろいろ考えていると、突然、眩い光が…。
 「朝か!?」
べレンは立ち上がり空を見上げた。太陽…を背に何かがこちらを見ている。綺麗に直立状態で落下しながら。
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 「なんだアレは!!」
ソーラだ。ハイナも起きていた。
 「うわっ。」
空気が急に重くなった様に感じた。そして3人は重みに耐えられず倒れた。 
 「超音波か!?波動か!?」
べレンは起き上がり、バックパックを起動させ、飛び立った。
 「お前は誰だ!!」
落下する謎の人物に突進しようとしたが、またもや波動か何かで跳ね返され、砂浜に墜落した。
 「ばか!!」
ハイナが歩み寄り、べレンを起こした。その時、どすんという音と共に、謎の人物が砂浜に降り立った。砂埃で良く見えない。
 「お前は誰だ!!」
べレンが叫ぶと、その者の1つしかない目がキラリと光った様に見えた。


第8話 完
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by maxhorn | 2010-04-03 23:16 | 旧ストーリー